廃業までのスケジュール

 近年の内外環境激変の中、経営が立ちいかなくなる前に事業から撤退することは、決してマイナスの判断ではありません
 廃業をスムーズに進めるためには、自社の内部環境・外部環境を客観的に把握・分析して廃業の意思決定を行い、廃業までのスケジューリングを的確に行うことが重要です。
 廃業の意思決定は、赤字経営が一定年数続いたときや、債務超過に陥ったとき、内外の環境変化に対応できなくなったときなどに該当した場合と言われています。売上高の減少、収益の低下、欠損の発生などが常態化している状況にあっては、「倒産」より早い時期での「廃業」を検討することが大切です。

廃業までの具体的スケジュール

 廃業までのスケジュールは、資産の処分・換金、取引先などの関係者の整理と折衝、従業員の再就職先確保などに要する時間 を勘案し、廃業までの資金繰り計画と合わせて綿密な計画を策定します。大きな流れとしては、

(1)廃業の意思決定
(2)財産目録(財務内容・廃業時純資産把握)の作成
(3)廃業手続きの選定
(4)廃業時期の決定
(5)関係者への意思表示
(6)廃業の実行

 上記(3)「廃業手続きの選定」は財産目録を基に判断しますが、債権が債務を上回っていれば、廃業は比較的順調に進めることが可能ですが、逆に債務が上回っていれば債務を充当するための資金の調達が必要となり、経営者個人の信用による融資や個人資産の処分を行って資金を調達してから会社解散の手続きを行うことになります。債務超過の状態で資金が調達できない場合の処理としては、任意整理または法的整理などを選定することになるでしょう。

・廃業を決意する前に
(1)事業承継が可能か考える
廃業を決意する前に、現在の事業を承継できないか考えてみてください。事業承継をする相手は、何もご子息などの血縁者に限らなくてもよいのです。たとえば、取引先や同業者などの企業に譲ることも選択肢の一つでしょう。また、事業承継をする相手を探す場合に、商工会議所で行っている「M&Aサポートシステム」を活用してみるのも一つの手です。「M&Aサポートシステム」は、事業の継続に不安を感じている経営者とシェアの拡大や新規事業などを行いたい経営者の間に立って、商工会議所が調整をする制度です。

(2)経営安定特別相談室に相談をする
 次に、廃業の前に一度専門家に相談をすることをお勧めします。商工会議所では「経営安定特別相談室」を設けています。相談室では、中小企業の倒産を未然に防ぐため事前に相談を受けて、経営的に見込みのあるものについては倒産回避の方途を講じ、見込みのない場合については円滑な整理を図ることを主な目的とした倒産防止特別相談事業を行っています。相談は無料で、企業の秘密は守られます。相談室では、商工調停士を中心に、中小企業診断士、弁護士、公認会計士などにより構成された専門のスタッフが相談を受けています。

 過去のしがらみにとらわれて、いたずらにタイミングを遅らせ、倒産などの取り返しのつかない事態に陥る前に、商工会議所、商工会などの指導員や、外部の専門家などの客観的なアドバイスを受けて、早期に判断を下すことが重要です。

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